バイオケミカル技術で、「杉」を日本の宝に変える
ロジスティクスコンサルタントだった私が、衰退する林業に向き合った際、「なぜ商流を増やさないのか?」と疑問を抱きました。
もともと物流屋としてクライアントの業種に染まり、業界内から改善策を練る癖がありましたから、林業に飛び込むのにも抵抗はありませんでした。
しかし、飛び込んでみると、急峻な山谷は木材搬出・運搬に致命的な悪条件を生み、「フォレストロジスティクス」は進化していない。
高コストの山林物流により、安価な海外輸入木材に価格が及ばず、需要は激減し、資源が放置される悪循環が生まれていた。
特に「杉」の放置ぶりは尋常ではなく、日本の森林問題は殆ど「杉」の問題、「杉」を救えば山が救えると確信しました。
まずは「杉の商流」を増やす事、そして「フォレストロジスティクス」を進化させること。これは、異端児の物流屋にしかできない、私の天命と感じました。
そして自ら大工となり、杉を知り、試行錯誤するほど、杉には杉だけの良さがある事が分かります。しかし、その良さは、材木としてハード面で見たら一長一短。物流コストの高い日本の材木は、国際的な価格競争力が弱い。
ならばハード面でなくバイオケミカルとしてソフト面で見たらどうか?昔から「天日乾燥で精油を維持した乾燥材」のメリットは知られているのに、それを活かす商流は出来ていない。
模索する中で、行きついたのはペットのヘルスケア市場であり、人と共生する「家族としての猫」でした。
人と暮らす猫に何が足りないか?、猫を愛する人たちは猫に何をしてあげたいか?今や、その一生を家族として家の中で過ごす猫が当たり前の時代。しかし、猫に癒される人はいても、猫を癒す環境を人は猫に提供できているのか?
世界的にも猫の飼育頭数は増え続けているのに、猫に害が無く、機能して、サステナブルな素材が不足している。猫との共生が不可欠ならば、猫の健康を守る選択肢が少ないことが、人類の大きな課題であると言っても過言ではない。そこに「杉」のバイオケミカルが活躍できる場所を見つけ、「杉」の需要を喚起する大きなチャンスがあると捉えました。
猫を「健康で長生きさせたい!」という想いを、毎日持ち続けている人がいる。それに反して、身の回りには「人の利便性」を求めて、化学物質や合成樹脂に頼るモノが多い。
猫は皮膚が薄くて繊細。グルーミングで体を舐める。いたずらで、なんでも口に入れる。ストレスに弱い。そんな猫の生態を理解して、健康被害の危険を排除する対策が、思いのほかできていない。
そこにバイオケミカルでの「杉」の活躍の場があります。
まずは、低刺激で猫に害のない杉の精油(セスキテルペン)の揮発成分がもたらす猫への健康効果。
そして、猫の肌のphバランスにピッタリ一致するph6.4の杉の精油の肌活(スキンケア)効果と、杉の香り成分(フェルギノール)の抗酸化効果。
さらに、猫は爪を研ぐ。ばりばりと引っ搔いて破壊する。その素材としても木肌の軟らかい「杉」は最適で、しかも多孔質で調湿効果が高く、夏は涼しく冬は暖かく、空気中の有害物質を中和分解して浄化する。
猫が、家の中で、清々しく、快適で、猫を癒すリラックス環境を産み出す素材として「杉のバイオケミカル猫用品」は、猫の肌と健康を守ることに大いに役立ちます。
杉のソフト面であるバイオケミカルの効力を活かせば、世界中の猫が(飼い主が)杉を求め、需要喚起して「杉」の新商流が創出されます。
【杉が猫を救うことで、猫が杉を救う】、そんな未来を現実にする事は可能です。
ただしバイオケミカル製品として「杉」の魅力を最大に引き出すには効果の元となる精油の維持が大切。
原始的ですが「天日乾燥」が重要で、短時間、高効率で「杉」を人工乾燥しようとすれば精油が揮発喪失し、バイオケミカルの効果は薄れます。
精油の持つ消臭・抗菌・抗カビ・抗酸化・リラックスなどのバイオケミカル効果を失っては、意味はありません。
私たちは、時間と手間を惜しまず、「天日乾燥」に拘り、その製法を磨き上げることで特許を取得しました。
この技術が、数千年生きる生命力を持つ「杉」の自然本来のチカラを活かすことを可能としています。
森林浴のように、清々しく、快適で衛生的、杉特有の精油成分で肌活、健活効果をもたらす杉のバイオケミカル猫用品。
私たちは、杉のバイオケミカルのチカラで世界の猫の美肌と健康を守り、猫寿命30年の実現をサポートする製品を開発します。
そして【杉が猫を救うことで、猫の重要が杉を救う】を実現します。
その先に、日本固有種の「杉」を育んだ日本の地形も、過密している森林も、弱みから強みとなり、日本の山が宝の山になる未来があります。
ロジスティクスの観点から何が問題で、何が課題かを整理し、一見関わりのない「猫」と「林業」が、それぞれ抱えている「ペイン」を、私たちは杉のチカラで解決し、猫と人と地球を元気にしてまいります。
杉のチカラ株式会社
代表取締役 高橋則之